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7月特別市会 賛成討論 議第74号7月補正予算について

「私は、京都党市会議員団を代表し、議第74号7月補正予算に対する賛成討論を行います。

コロナ感染の拡大を防止しながら、経済活動を再開し市民生活を守るという視点で編成された7月補正予算は基本的に評価出来ると思います。

特に、福祉機関、医療機関への支援、民間交通事業者への支援の実施は、市民の安心と安全を確保しながら、経済活動を再開し経済復興を図って行く上で大きな役割を果たすと言えます。

 

今回の補正予算では全自動PCR検査機2台を購入する予算が計上され、新たに80件の検査が拡充されることを評価します。京都は府市合わせて1日670件の検査ができる体制を目指していますが、近隣の大阪府は3500件、兵庫県は1500件の検査体制を目標としているのに比べると人口比を加味しても不十分と言えます。GOTOキャンペーンに向けて安心安全な観光を提唱するためには、検査体制の拡充は必須です。今後京都市として更なる検査体制の拡充を求めます。

また、避難所における感染拡大防止策としてホテルとの提携により、ソーシャルディスタンスを確保する施策が前進したことは大変評価しております。引き続き、宿泊施設との提携拡大や学校の一般教室の全面活用など、従前より課題である避難所の充足率の向上に取組んでいただきたいと要望します。

 

子どもたちの教育、学習を保証する取組は重要です。GIGAスクール構想の早期実現において、児童生徒1人1台のパソコン端末を早期に整備するとともに、家庭への端末貸与時の通信費助成や、遠隔学習時に活用できる大型掲示装置など、積極的な環境整備が行われることも高く評価いたしております。

今後とも今回の環境整備が十分に活用され、緊急時でも児童生徒の学習機会が守られるようお願いいたします。

 

今回、不急の案件を見直し、事業ごとに時限的な休止を行うなどの努力により総額13億7600万円の減額補正を行うなど、踏み込んだ対応をしたことは一歩前進です。とはいえ、コロナ対策に163億円に上る予算が計上されていますが、財源として国からの臨時交付金の137億円が当てられるなど、国への依存度が極めて高くなっています。新型コロナ発生以前において本市の財政状況は極めて厳しい状況となっていたことが、本市独自の支援策を実施する際の大きな壁となったことは言うまでもありません。今後感染拡大の第2波襲来に備えて、財源対策をしっかりと確立する必要があり、公債償還基金の取り崩しで対応するのでは無く、大胆な減額補正による財源捻出に取り組んでいただくことを強く要望いたします。

 

7月補正予算全体を見渡しますと、全ての業界が恩恵を受ける支援もある一方で、一部の業界への手厚い支援も目立ちます。また、京町家の住宅への転用に対する補助金のように、これまでの本市の取組を踏まえておらず効果が見込みにくい施策があること、大学生の支援強化のために、39の大学に一律500万円を給付することなど、効果に疑義がある施策も散見されます。今後の、予算の立案・執行においては、公平性と効率や効果を今以上に精査して頂きますようお願いいたします。

 

 

 東京では過去最高の感染者を記録するなど、感染拡大が再燃している中での経済活動には徹底した対策が求められます。すべての市民が新型コロナに感染している可能性を踏まえ、密を避けマスク着用を求めているように、京都市としては各事業者が個別で実施している感染拡大防止策を積み上げ、市内全域での抑止策に繋げることが必要です。例えば、商業施設や飲食店などでサーモグラフィにより発熱が確認された人が他の施設に入場したのでは市全体としてのリスク回避になりません。数日活動を自粛してもらう、新型コロナ相談窓口や診療所に出向いてもらう、あるいは追跡サービスを活用徹底するなど、感染抑止の徹底を図る必要があります。ワクチン、治療薬が無い中、市内で新型コロナ感染が一定数出現していることから、市民の経済活動や観光を安心して行えるよう万全な水際対策、検査体制、医療体制を整えていただきたいと要望いたします。

 

最後に、この度の大雨で、高尾以北、鞍馬以北などで甚大な被害が発生しています。沿道の倒木の放置と倒れる可能性のある樹木の放置が大きな要因となっていることは明白です。大がかりな山林整備は難しいとしても、民地であっても事前伐採、倒木の処理を行政主導で対処することの必要性を改めて申し上げておきたいと思います。

 

以上で、賛成討論を終わります。

ご静聴ありがとうございました。」